コラム37 遺留分侵害額請求で想定外の資金流出

遺留分侵害額請求で想定外の資金が流出してしまう

column37 遺留分 侵害額請求

社長の相続財産に占める自社株の割合が圧倒的に多いため、自社株を株価が安いうちに生前贈与し、残った自社株を後継者に集中させるために遺言を作成するのは一般的によくあることです。

遺留分の財産

遺留分とは、直系尊属のみが相続人である場合を除き、相続人が法定相続分の1/2を相続する権利で、社長の兄弟は権利がありません。

遺留分を算定する場合相続時点での財産だけで遺産分割をすると不平等な分割になるので、相続前10年間に生前贈与した財産額も追加した上で、遺留分の金額を算定します。

そして、遺言により承継する財産額が遺留分より少ない相続人は、多額の財産を承継した相続人に不足分を現金で支払うよう請求ができます。

生前贈与した株価の財産評価

問題は、生前贈与した財産の評価で、安い株価で贈与した自社株を、贈与時ではなく、相続時の高い株価で評価する必要があることです。

適用する株価は、相続財産と同じ株価からそれよりも一段と高い時価評価までありますが、相続人全員が納得すれば、最も安い、相続財産と同じ株価が適用できます。

しかし、もめた場合には、それより一段と高い時価評価になってしまいます。

もともと財産に占める自社株割合が圧倒的に高いのに加え、生前贈与の株価が相続時の財産評価よりもさらに高い時価で評価されると、想定外の多額の遺留分侵害額を請求されることになります。

後継者は現金で支払う必要があるため、持株を自社等に売却する等して現金を確保することにより、会社から想定外の資金が流出するリスクがあります。

ですから、遺言作成を含めた、事前の対策が必須なのです。

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