自社株はどのようにして発行するのか?
ベースとなるのは定款
会社を設立する場合、会社の憲法といわれる定款を作成します。
定款は法的な効力がある書類で、公証人の認証を受ける必要があります。
変更をする場合には、株主総会の特別決議で3分の2以上の賛成を得なければなりません。
この定款には発行可能株式総数(発行限度)、事業内容、取締役、取締役会、監査役、株主総会、決算期等の最低限必要な事項や、会社に将来起こり得るトラブル防止に役立つ条件などを記載します。
株式発行時に決めるべき主な事項
非公開会社の株式の発行上限は、通常、実際に発行する株式数の4倍以上に設定します。
将来、新たに株式を発行する場合、効率的に実施できるようにするためです。
上限を超える場合には、株主総会の特別決議により上限を増やすことになります。
次に、資本金を決め、発行株式数を決めることになります。
資本金は1円でも設立可能ですが、以前施行されていた最低資本金制度に沿って1000万円にするケースが最も多く見られます。
たとえば、資本金1000万円で1株あたりの払込金額を500円とすると、発行株式数は2万株になります。
払込金額は自由に決めることができます。
資本金を増やす(増資)場合、当初の500円でなく、増資時点での高い株価で払込む(時価発行増資)こともあります。
資本金が決まると、資本金相当の現金を銀行に払込むことになりますが、ここで、誰がどんな割合で払込むか(出資割合)で株主構成が決定します。
社長一人で払込む場合は、持株比率は100%になります。
共同経営で複数で払込む場合は、社長の持株比率は最低でも過半数を確保する必要があります。
なぜなら、取締役を選んだり解任することは株主総会の普通決議の対象事項で、過半数の賛成により決定されるため、取締役の全員を選んだり解任することを自分一人で決めることができる(経営権)ようになるからです。
自社株を発行するときに決める主な事頂
総発行株式数(発行限度)
定款の中で総発行株式数(発行限度)を決める
資本金をいくらにするか決める
以前の最低資本金制度にならい、1,000万円が多い
1株あたりの払込金額を決める
払込単価は自由に決められる(例)
例
資本金…………………1,000万円
1株あたりの払込金額………500円
発行株式数……………20,000株
出資割合(払込みの割合)
株主構成が決まる
例
出資人数 | 出資者 | 払込金額 | 持株比率 |
1名 | 社長 | 1,000万円 | 100% |
3名 | 社長 | 5,100千円 | 51% |
A氏 | 3,000千円 | 30% | |
B氏 | 2,100千円 | 21% |
経営権の確保
- 取締役の選任・解任⇒株主総会の普通決議事項⇒過半数の賛成で可決
- 社長が過半数の持株比率確保
- 社長1人で、取締役全員を選ぶ(選任)辞めさせる(解任)ことができる
今回は押さえておきたい非公開会社が知っておくべき自社株の基礎知識として解説いたしました。自社株の発行は後々の展開まで踏まえた計画が重要です。豊富な経験から御社に最適なご提案をいたします。まずは下記フォームからお問い合わせください。
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