コラム24 莫大な相続税が払えない

・会社の資金流出のリスク、莫大な相続税が払えない

実際にあった、2.4億円もの莫大な相続税が発生した悲劇をご紹介しましょう。

美容関係製品の販売会社であるB社は創業30年の会社ですが、10年ほど前から急成長し、自社株の評価額も業績に連動してどんどん上昇していました。

そして社長が死亡する直前期には自社株の相続税評価額は、なんと100倍になっていたのです。

ところが社長も、後継者である長男も、社長の妻も、このような自社株の評価に関する知識は持っていませんでした。これが悲劇のはじまりだったのです。

社長の死後、資産の評価額を計算してみると、なんと自社株の評価額は10億円になっており、これに自宅の評価額が1億円、現預金が1億円あり、相続財産の合計は12億円。

これを社長の妻と長男の二人で相続することになり、相続税は2.4億円。

金銭での一括納付は不可能な状況で、物納や延納も事実上、困難な状況でした。

・相続税を納めるために会社の所有不動産を売却

このような状況の中で、遺族はどうやって相続税を納めたのか?

最初はB社から借りることも検討しましたが、B社に現預金はなく、かつB社は業績悪化により金融機関からの借り入れが難しい状況でした。

そこでB社は所有していた不動産の一部を売却することで現金を捻出。そのお金で遺族が相続した自社株の一部を自己株式として買取り、その代金で遺族が相続税を納めたのです。

このように納税資金を捻出するために会社の資金が流出してしまうことは、会社にとって大きなリスクです。最悪の場合は、会社の存続すら危ぶまれる事態となりかねない重大な問題といえます。

したがって、株式公開していない中小企業の社長は、自社株の評価方法を知り、評価額を把握しておく必要があるといえるでしょう。

(詳しくはお問い合わせ、もしくは「非公開会社の自社株の仕組みがわかる本」をご覧ください)

 

多額の相続税が発生してしまったケース


B社が急成長

自社株の評価額も上昇、額面の100倍に!


相続発生
相続財産:自社株10億円+自宅1億円+現預金1億円=12億円

相続税2.4億円
金銭での一括納付は不可能。物納や延納も困難

相続税を納めるために会社の所有不動産を売却。
売却代金で遺族の自社株の一部を会社が買取る

その代金で遺族が相続税を納める

会社の資金が流出

最悪の場合、会社が危機に!

 

自社株の評価方法を知り、評価額を把握しておくことが必要!
ご相談はお気軽にお問い合わせください。

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コラム23 自社株についての遺言がないと…

・遺言がないと後継者が社長の座を追われることも

遺言を残さず亡くなってしまうと、残された相続人は遺産分割協議を行います。

仮に相続人が配偶者と長男(後継者)と次男の3人で、長男が会社を継ぐケースでは、自社株は長男がすべて相続するのが望ましいといえます。

しかし財産構成上、自社株の割合が高いケースが多いため、自社株すべてを長男に承継させると、長男の取り分が極端に多くなってしまいます。

そこで誰かが法定相続分通りに分けたいと言い出せば、自社株も含めて分割せざるを得なくなります。

 

・遺言があれば分割協議書にハンコは要らない

長男は母親と次男が相続して自社株を、株式分散防止のために自社で買い取らざるを得ないケースも出てきます。

この場合、相続時の株価評価より自社に売却する場合の株価評価額のほうが、高くなるのが一般的です。

さらに、分割協議でもめた場合、協議がまとまるまでの間は共有財産となるため、株主総会の開催が困難になることもあるのです。

自社株すべてを後継者に相続させるという遺言があれば、分割協議書にハンコはいりません。ただし、遺留分侵害額の請求リスクがあるので注意が必要です。
(詳しくはお問い合わせ、もしくは「非公開会社の自社株の仕組みがわかる本」をご覧ください)

 

 

遺言を残さずにオーナー社長が亡くなると…


社長が死亡

遺族間で遺産分割協議を行う


誰かが法定相続分割通りに分けたいと言い出せば、
自社株も含めてその通りに分割せざるを得なくなる

 

例:遺族が配偶者、長男(後継者)、次男の場合、配偶者が2分の1、長男と次男が4分の1ずつ

・長男(後継者)は独断で何も決められなくなるため、経営が不安定になる
・経営権争いに発展する可能性もある
・長男は母親と弟の自社株を買い取らざるを得なくなり、会社の資金が流出する
・分割協議でもめた場合、株主総会の開催が困難になることもある

 

「自社株をすべて後継者に相続させる」という遺言が大事!

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